元バス運転士で現在フリーランスの家庭教師、学習塾の経営をしているテツです。今日は親御さんがうちの子はどんな塾が向いているのだろうと悩んでいる方もいると思うので、生徒のタイプ別におススメの学習塾形態を紹介していこうと思います。
①集団授業タイプの学習塾(1クラス10人以上)
まず学習塾と思い浮かべると一番多い形態がこのタイプだと思います。先生一人につき生徒10人以上に向けて一斉に授業を行う形式になります。
メリット
・値段が比較的安い
・競争意識が芽生える
・授業がわかりやすい
デメリット
・授業についていけないと苦痛
・質問がしにくい
・自分の学習したい内容とのミスマッチが起こる
向いている生徒のタイプ
・学力中位~上位(学校の授業はある程度ついていけている)
・わからない場合は発言(質問)できる
・仲間と一緒に切磋琢磨しながら学びたい
メリットに関しては3つ挙げさせてもらいましたが、値段が比較的安いというのは個別指導に比べて安いという意味です。先生一人当たりの指導人数が増えるほど安くなる傾向があります。また二つ目の競争意識が芽生えるというのも集団授業の大きなメリットかと思います。学校にはない雰囲気で周りの人との競争意識の中で勉強ができます。また三つ目のわかりやすい授業ですが、これは講師によってさまざまだとは思いますが、やはり集団塾の講師は個別指導の講師に比べて時給が高いことが多く、採用試験なども厳しい傾向があるため、個別指導の講師に比べやや敷居が高くなっています。そのため講師の質も低いことは少ないと思います。デメリットに関しては、まず授業についていけないと苦痛になります。特に集団塾は塾の宿題も多い傾向があるので、授業についていけず宿題も解けずにつぶれてしまうケースをたびたび見てきました。二つ目にみんなの前でなかなか質問をしにくいことも挙げられると思います。もちろん質問できる子もいると思いますし、授業後に質問することも可能です。ただ、控えめな子にとっては先生に質問するのも勇気がいりますので、ある程度図々しいくらいな子の方が向いていると思います。三つ目に自分の学習したい内容とのミスマッチが起こるということで、例えばこの部分が苦手なので重点的に学習したいなどの要望があっても、ある程度塾の方でカリキュラムが決まっているので、そういった対応が難しいでしょう。
以上のことを考慮すると集団授業に向いているのは、学力中位~上位の学校の授業はある程度理解できていて、仲間とともに切磋琢磨しながらさらに高みを目指していくという強い意志を持った生徒が向いていると思います。
②グループ授業(1クラス5~10人程度)
この形態の塾も多く見受けられ、学力別クラス編成など同じくらいの学力が集まっていることが多いのが特徴です。また塾によってアットホームな雰囲気なクラスもあれば、ガンガン進めていくような少数精鋭のような進学に特化した雰囲気の塾もあります。
メリット
・値段もそこまで高くなく、質問もしやすい
・ある程度先生の目が行き届いている
・競争意識もある程度ある中で学習できる
デメリット
・学習したい内容は選べない場合が多い
・わからなくてもある程度授業が進んでしまう
向いている生徒のタイプ
・学力中位以上(学校の内容が5~7割ほど理解できている)
・ある程度質問ができるメンタルを持っている
このタイプの学習塾は集団授業と個別指導の中間あたりの立ち位置になるかと思います。集団授業のメリットを残しつつ、ある程度先生との距離が近い中で授業が受けられるので、個別指導だと少し高いが、集団授業だとついていけないのではないかという不安がある場合はこの形態の塾から始めてみても良いかもしれません。ただし、こちらもある程度カリキュラムが決まっているため、ピンポイントで指導してほしい内容や科目がある場合は、やや消化不良になるかもしれません。
③集団個別
集団個別というと聞きなれないかもしれませんが、最近増えてきた形態の塾になります。先生1人あたり4~5人を見ていくスタイルで、学年や科目もバラバラなことが多いです。
メリット
・自分でやりたい科目や単元などが選べる
・時間帯や曜日などが選べ、振替ができる場合が多い
・先生に質問しやすい
デメリット
・やや値段が高め
・講師によるあたりはずれがある
・一人当たりの指導時間は個別指導に比べて少ない
向いている生徒のタイプ
・学校の授業または集団塾の授業についていけない
・わからない時にすぐに質問したい
・ある程度自分で計画を立てて学習できる
集団個別形態の学習塾は生徒一人ひとりにあったカリキュラムで授業を進めていくことになりますので、自分の苦手なところを重点的に学習したり、時間・曜日が選べたりなどある程度融通が利くのも特徴です。集団授業に比べてかなり先生との距離も近くなってきました。ただし、個別指導でも当てはまりますが、先生との相性がかなり大事になってきます。塾によっては毎回先生が変わる場合もあるので、入塾前にしっかりと聞いておいた方が良いでしょう。また、個別といっても先生1人で指導する人数も増えると一人当たりの指導時間が短くなってしまうのもデメリットで考えられます。個別指導に比べて演習(アウトプット)中心の授業になることも多いので、質問がある場合はあらかじめピックアップしておいて、先生が回ってきたときに聞けるようにしておくと良いでしょう。
よってある程度能動的に授業を受ける必要があるのも特徴の一つです。自分の苦手なところがわからなかったり、勉強方法など手取り足取り見てほしいという場合は、この後に紹介する個別指導や家庭教師の方が良いと思います。
④個別指導(1:1または1:2)
集団塾との差別化で2000年ごろから急速に増えてきた塾形態になります。先生1人につき生徒2人までというところが多いです。
メリット
・常に先生が横にいるので、疑問があればすぐに質問できる
・大半が大学生の講師なので、お兄さん・お姉さん的存在で色々と相談できる
・授業内容や授業日時など基本的には希望通りになる
デメリット
・値段が高い
・講師のあたりはずれがある
・周りの状況が見えないため、競争意識が芽生えにくい
向いている生徒のタイプ
・学校の授業が全然わからない、または、学校の授業よりもさらに発展的な学習がしたい
・なかなか先生に質問できない
・自分に合った学習法や進路など色々と相談したい
個別指導は生徒一人ひとりに合ったカリキュラムを作っているため、入塾テストなどもなく、学力に応じた授業をしてくれるのが特徴です。また、ほとんどの塾が大学生を中心としたアルバイト講師で授業を行っているのも大きな特徴です。これはメリットでもありデメリットでもあります。メリットとしては、生徒との年齢も近い分、色々と相談出来たり実際に受験した先輩の言葉は生徒の心にも響きやすいでしょう。反対にデメリットとしては講師の質に大きな幅があるので、良い講師・相性の良い先生に担当してもらえればラッキーです。さらに値段に関しては、集団塾よりも高い傾向にあり、中学生の場合、月3万円ほどはかかるでしょう。
⑤家庭教師
おそらく一番高い授業形態かと思います。先生が生徒宅へ伺い直接指導します。最近ではオンラインでの授業を展開しているところもあり、ややお手頃な値段になっています。
メリット
・完全オーダーメイドで生徒の要望に合った授業をしてくれる
・学力の高い先生が多い
・塾に行く手間が省ける
・直接先生に子どもの様子をこまめに聞ける
デメリット
・プロの家庭教師はかなり高額
・先生が家に来るので気を遣う
・競争相手がいない
向いている生徒のタイプ
・苦手克服または学年トップを目指すなど明確な目的を持っている
・一人でもモチベーションを維持できる
・普段の勉強方法や受験までの道筋など色々とサポートしてほしい
家庭教師は学習塾に比べ1人にかける時間が長い分高額ではありますが、生徒の現状や目標に合わせて完全オーダーメイドのカリキュラムを組むことが可能です。また先生が家まで来てくれるので、送り迎えなどの必要もありません。最近ではオンラインでの家庭教師も増えてきているので、比較的安い値段で家庭教師の先生に授業をしてもらうことも可能になってきました。もちろん個別指導同様に先生との相性などがかなり大事になってきます。デメリットとしては個別指導同様に高額な点と競争相手がいない点が大きなデメリットかと思います。一人でもモチベーションを保つことができ、さらに明確な目標がある生徒は家庭教師に向いていると思います。また、学習塾では保護者面談が先生とのコミュニケーションを取れる少ない場でもありますが、家庭教師ではその点先生とのコミュニケーションも取りやすい環境にありますので、色々と相談に乗ってもらうのも良いかもしれませんね。
ひとくくりに学習塾と言っても色々な形態があります。さらには大手塾から個人塾まで様々な規模の塾があります。またアットホームな塾もあればトップ校を目指すような進学塾もあります。たくさんの塾がある中で今回の記事がどんな塾が向いているかというお悩みの一助になれば幸いです。塾に関する記事は今後も書き続けていきますので、ぜひご一読いただければと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。それではまた!テツでした!
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